社会の窓
消費革命とアンデルセン童話
野口 肇
1
1評論家
pp.32-33
発行日 1963年7月10日
Published Date 1963/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202875
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I
アンデルセンに「はだかの王様」という童話があり,だれもが知っています.
あらすじは――
むかし衣裳道楽の王様がいた.そこへふたりのインチキな織工があらわれ,極上の布地と最高の技術で世界一うつくしい服をつくると申しでて,まんまと注文をとる.かれらは宮殿の一室を借りて手真似だけの作業をする.そしていうには,この服が目にみえない連中はその地位に不適任かそれとも大バカ者だ,と.ために大臣以下お世辞をいったり,あるいは幻想でそう思いこんでしまう.
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