ひろば
理学療法学教育と教養の再考
中村 壮大
1
,
奈良 勲
2
Souta Nakamura
1
,
Isao Nara
2
1こころ訪問看護ステーション
2広島大学
pp.821
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202380
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1963年に理学療法士・作業療法士の養成校は,現厚生労働省管轄下により各種学校から専修学校の体制をとり,その後,現文部科学省による3年制医療技術短期大学部に始まり4年制大学体制になり今日に至っている.当初のカリキュラムは専門教育に偏重していたこともあり,最初に設立された国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院における学園紛争の火種は,教養教育の充実化を図る要望であった(1969年).当初のカリキュラムの50%ほどは臨床実習で占められ,有資格理学療法士は存在していないため,外国人理学療法士教員によって米国軍病院,整肢療護園,国立身体障害者リハビリテーションセンターなどで実施されていた1).
教養教育については,その重要性が提唱されているにもかかわらず,専門教育や資格取得のための教育に比重が置かれる傾向は現在も是正されていないと考える.さらに大学設置基準の簡略化として改正された「大学設置基準の大網化(1991年)」は,一般教育と専門教育を有機的に統合するとの観点により,結果的に教養学部の解体を招いたと言われている.
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