連載 とびら
先の見えない時代に
元木 純
1
1専門学校北海道リハビリテーション大学校
pp.867
発行日 2020年8月15日
Published Date 2020/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201992
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この原稿が掲載される頃,本来であれば日本中が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に熱狂しているはずであった.筆者もボランティアスタッフの一員として参加するはずだったこの一大イベントであるが,ご存知のとおり史上初の延期開催が決定し,残念な思いとともに,それどころではない社会状況に致し方のなさとが交錯し,やり場のない日々を過ごしている.その後も未知のウイルスによる感染は全国に拡大し,ついに政府による緊急事態宣言にまで至っている.今後がどうなるのかまったく先が見えない状況である.
しかし,それ以前からここ10年ほどの日本は各地で大規模な自然災害に見舞われ,隣国との関係性も変化するなど,われわれ自身ではコントロールできない要素による出来事が次々に起こっている.想定外,前例がない,未曾有の,記録的な,という言葉が伝えられるたびに,これまで積み重ねてきたデータや経験値がまったく通用しなくなる「先の見えない時代」に生きているのだということをひしひしと感じている.
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