Japanese
English
症例報告
下肢症状を呈する腰痛症例に対し中枢性感作を疑い,疼痛教育を中心とした理学療法介入が奏効した一症例
The effect of neuroscience pain education for central sensitization in low back pain with legs pain: a case report
三木 貴弘
1
,
山田 弘輝
2
Takahiro Miki
1
1札幌円山整形外科病院リハビリテーション科
2十勝整形外科クリニックリハビリテーション科
キーワード:
中枢性感作
,
疼痛教育
,
Classification
Keyword:
中枢性感作
,
疼痛教育
,
Classification
pp.1222-1227
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201753
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要旨 【はじめに】慢性的な筋骨格系の疼痛の原因として,中枢性感作(central sensitization:CS)が知られている.今回,CSが疑われた下肢症状を呈する腰痛症例に対し疼痛教育を中心として理学療法介入を行い,良好な成績を得られたので報告する.【症例紹介】40歳台前半の女性であり,職業は立ち仕事.安静時痛はなく,症状箇所は腰仙部の深部,両大腿から下腿前面にかけてであった.【評価】Leeds Assessment of Neuropathic Symptoms and Signs scaleが16/24であり,Schäferらによって開発された下肢痛を伴った腰痛のclassificationを参考に,CSを分類し介入を行った.【介入および結果】CSに対する疼痛教育,視覚的フィードバックを用いた運動療法を中心に全4回行った.最終評価にてすべての疼痛が消失し,ADLは制限なく可能となったため理学療法終了とした.【結語】本症例は下肢症状に対しCSを疑い,生物心理社会モデルに基づいた疼痛教育を中心とした介入を行い奏効した.筋骨格系疾患のなかにはCSが一定数存在しているため,適切な評価や多面的な介入が必要である.
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