卒業論文のひろば
大学生のリュックサックの使用方法と腰痛について—質問紙調査結果からの示唆
德竹 優花
1
,
荒井 卓巳
1
,
小堺 雅也
1
,
坂上 眞樹美
1
,
新嶋 廉
1
,
村山 明彦
1
1群馬医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法専攻
pp.953-956
発行日 2019年9月15日
Published Date 2019/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201673
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要旨 本研究では,腰痛の発生機序について一定の知識を有する大学生のリュックサックの使用方法(知識と嗜好)を調査することで,今後の腰痛予防教育に有益となる知見を得ることを目的とした.群馬医療福祉大学(以下,本学)に在籍している理学療法専攻および作業療法専攻1〜3年生179名を対象とし,独自に作成した質問紙を用いて調査を行った.その結果,女性のほうが男性よりもリュックサック使用中に腰背部の痛みを感じていた.また,女性のほうが嗜好を重視する傾向がうかがえた.しかし,腰背部へのストレスが最も少ないと思われるリュックサックの使用方法の認識に関しては,女性のほうが高かった.本学の理学療法・作業療法学生(特に女性)においては,リュックサックの使用方法による身体への負担の差異を理解しているにもかかわらず,嗜好を優先する傾向がみられた.これらのことから,今後の腰痛予防を目的とした健康教育においては,予防の知識を深めるだけでは不十分である可能性が示唆された.
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