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総合事業との協働
茨城県におけるシルバーリハビリ体操指導士の養成数は,これまでに8,000人を超えている。住民である指導士が,住民に体操を指導し,1級指導士になれば3級指導士を養成することができることから,住民が住民を育てる体制が構築されている。また,多くの市町村における介護予防事業において,介護予防・ボランティアパワーを備えたシルバーリハビリ体操が組み込まれている状況である。
さらに,介護保険制度の改正により,平成27年度から介護予防・日常生活支援総合事業(以下,総合事業)(図)が始まり,市町村では,新たな枠組みで介護予防事業に取り組むこととなった。総合事業とは,市町村が中心となって,地域の実情に応じ,住民などの多様な主体による多様なサービスを充実することで,地域で支え合う体制づくりの推進や要支援者などに対する効果的な支援などを目指した事業である。例えば,介護保険制度改正前の全国一律であった介護予防給付が,改正後には,総合事業のサービス事業に移行することで,市町村は地域の実情に合わせたサービスを提供することが可能となった(図)。サービス事業の提供者には多様な主体が想定され,住民自身がサービス提供者となることも可能となったことから,まさにシルバーリハビリ体操指導士会のような住民主体の活動がサービスとして該当することになる。事業所や専門家の担い手不足などの課題を踏まえると,住民のボランティアは非常に重要な主体となる。また,改正前の介護予防事業にあった二次予防事業は廃止され,一次予防事業が,すべての高齢者を対象とする一般介護予防事業に継承されたことから(図),介護予防を目的としたシルバーリハビリ体操はこの一般介護予防事業に位置づけることが可能である。
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