入門講座 困難への対応—経験者に学ぶ・4
意欲の低下にどう向き合うか? 心理・精神症状由来編—気分のムラ・易怒性/固執・拒否/身体障害に起因するうつ症状
近藤 祥平
1
,
西尾 幸敏
2
,
永冨 史子
3
Shohei Kondo
1
,
Yukitoshi Nishio
2
,
Fumiko Nagatomi
3
1医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院リハビリテーション部
2介護老人保健施設葵の園・広島空港
3川崎医科大学総合医療センターリハビリテーションセンター
キーワード:
気分のムラ
,
易怒性
,
行動分析学
,
原因解決アプローチ
,
状況変化アプローチ
,
問題解決の技術
,
問題解決の技法
,
身体障害
,
うつ症状
Keyword:
気分のムラ
,
易怒性
,
行動分析学
,
原因解決アプローチ
,
状況変化アプローチ
,
問題解決の技術
,
問題解決の技法
,
身体障害
,
うつ症状
pp.817-823
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201636
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はじめに
入院生活にはさまざまな心的ストレスが伴う.安斎ら1)は,病気や入院に伴う不安に起因して,気分の変化や攻撃性の増大などのパーソナリティの変化が生じると述べている.
臨床場面において,気分のムラや攻撃的な態度を表す患者に接することは稀ではない.若手理学療法士がこのような患者への対応に悩み,理学療法がうまく進まない原因を患者のやる気や態度に求めたり,患者の機嫌や言動に配慮するあまり,十分な理学療法を実施することが困難となっていたりする状況を目にすることが,少なからずある.
このような事態が長く続くと,効果的な理学療法を十分に提供できなくなり,患者にとって不利益をもたらすばかりでなく,理学療法士自身も疲弊してしまう.したがって,気分のムラや易怒性を示す患者に対する適切な対応技術が,理学療法士には求められる.
本稿では,気分のムラや易怒性を示す事例への対応法について,筆者の経験をもとに紹介する.
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