発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002057991
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52歳女.46歳ころより左膝の脱力を自覚し,次第に増強した.単純X線像では,伸展位で左右の膝蓋骨は外側に脱臼しており,形状は正常より小さく,側面像で膝蓋骨高位を認めた.膝蓋骨軸射像では,膝蓋骨は左右ともWiberg III型で,屈曲45°で亜脱臼位,屈曲90°では還納されるが,同時に大腿骨顆部滑車角は右171°,左162°と外顆の高度低形成も認めた.左膝関節二重造影後のCTでは,伸展位で膝蓋骨は脱臼,屈曲45°では亜脱臼であるが外側関節包の弛緩を認め,屈曲60°でほぼ還納された.又,両膝共に大腿骨前捻増大による顆部内旋変形を認め,膝関節回旋角の増強を認めた.手術において左膝に対し外側軟部組織の十分な剥離を行い,内側支帯の縫縮,内側広筋の前進を併せて行った.その結果,他動的に屈伸すると膝蓋骨は安定した状態となり,術中の測定でもQ角の異常を認めなかった為,遠位アライメント再建は行わなかった.術後1年6ヵ月で経過良好であり,右膝の愁訴もない
©Nankodo Co., Ltd., 2001