Japanese
English
臨床経験
膝蓋下脂肪体ヘルニアの1例
A Case Report of Herniation of the Infrapatellar Fat Pad
岡田 幸也
1
,
北 潔
2
,
野田 光昭
2
,
水野 保幸
2
,
西林 保朗
2
Yukiya Okada
1
1六甲病院整形外科
2国立加古川病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Rokko Hospital
キーワード:
膝
,
knee
,
膝蓋下脂肪体
,
infrapatellar fat pad
,
ヘルニア
,
herniation
Keyword:
膝
,
knee
,
膝蓋下脂肪体
,
infrapatellar fat pad
,
ヘルニア
,
herniation
pp.1341-1345
発行日 1989年11月25日
Published Date 1989/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908232
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抄録:膝蓋下脂肪体が外側膝蓋支帯の孔から一部脱出し,腫瘤として触れていた膝蓋下脂肪体ヘルニアの1例を経験した.症例は4歳女児で,右膝部の無痛性腫瘤を主訴として来院した,腫瘤は大豆大・弾性軟で,膝蓋靱帯の外側,関節裂隙の高位にあった.皮膚との癒着はなく,境界も明瞭であり,膝関節の屈曲時に出現し,伸展時に消失した.右膝の単純X線像,関節造影では異常所見はみられなかった.手術時,膝蓋靱帯と腸脛靱帯の間の外側膝蓋支帯に直径約7mmの孔を認め,膝関節を屈曲すると,この孔を通じて膝蓋下脂肪体が脱出膨隆し,伸展すると引き込まれて消失する現象を確認できた.
類似の臨床像を呈する半月板嚢腫との鑑別点について,基盤となる組織の膝屈伸時の動態から考察した.また,膝関節の関節鏡手技でも同様の病態が起こりうる点についても述べた.
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