Japanese
English
症例報告
膝蓋下脂肪体に起因した疼痛が生じていたと考えられた変形性膝関節症症例に対する理学療法
Physical therapy for knee osteoarthritis with infrapatellar fat pad as a possible cause of pain: a case report
河治 勇人
1
,
青木 光広
1
,
山根 将弘
2
,
片岡 義明
2
Hayato KAWAJI
1
,
Mitsuhiro AOKI
1
,
Masahiro YAMANE
2
,
Yoshiaki KATAOKA
2
1北海道医療大学リハビリテーション科学部理学療法学科
2北海道医療大学病院リハビリテーション室
キーワード:
変形性膝関節症
,
力学的ストレス
,
膝蓋下脂肪体
Keyword:
変形性膝関節症
,
力学的ストレス
,
膝蓋下脂肪体
pp.487-491
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203033
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要旨 【はじめに】膝蓋下脂肪体に起因した疼痛が生じていたと考えられた,変形性膝関節症症例への理学療法について報告する.【症例紹介】右変形性膝関節症と診断された60歳台の女性であり,右膝関節前面に疼痛を訴えていた.【評価】内側の膝蓋下脂肪体(infrapatellar fat pad:IFP)に対するHoffa testが陽性であり,IFPが疼痛の原因組織として考えられた.疼痛を引き起こす力学的ストレスとして右立脚終期の過度な膝関節内反運動が挙げられた.【理学療法および結果】IFPに加わる歩行時の過度な力学的ストレスを軽減するために,IFPの柔軟性低下・上半身重心位置の後方変位・後足部過回内を改善する治療を行った.12回の理学療法で右立脚終期における過度な膝関節内反運動の改善と膝関節痛の消失が得られ,理学療法が終了となった.【考察】変形性膝関節症症例に対して疼痛の原因組織がIFPであることを明確にしたうえで,IFPに加わる力学的ストレスの軽減が得られる理学療法を行ったことで,良好な結果が得られた.
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