特集 高齢者の転倒と予防
転倒の予防運動プログラムの実践と課題
山田 拓実
1
Takumi Yamada
1
1首都大学東京健康福祉学部
キーワード:
複合的運動プログラム
,
メタアナリシス
,
太極拳
,
長期効果
,
アドヒアランス
Keyword:
複合的運動プログラム
,
メタアナリシス
,
太極拳
,
長期効果
,
アドヒアランス
pp.37-44
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201423
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
転倒予防のための運動プログラムの現状
2008年に世界保健機関1)(World Health Organization:WHO)は,グローバルレポート「高齢者の転倒予防」を公表している.転倒の概要のなかで,毎年,65歳では28〜35%の高齢者が転倒し,70歳以上になると32〜42%に増加する.地域在住の高齢者に比べ,介護施設入所の高齢者の転倒率は高く,30〜50%が毎年転倒し,そのうちの40%は複数回の転倒を起こしていると報告されている.
転倒予防の運動プログラムの効果に関しては,2000年以降,多くのシステマティックレビュー,メタアナリシスが報告されている.運動介入の区分には,運動種類(単一の運動,複合的運動プログラム,ヨガ),実施形態(集団と家庭での個別運動),対象者(地域在住高齢者,医療施設や介護保険施設入所者)がある.単一の運動(要素)にはレジスタンストレーニング,バランストレーニング,エアロビクス,ファンクショナルトレーニング,歩行などがあり,複合的な運動プログラムとは,複数の運動要素を組み合わせた運動プログラムである.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.