理学療法臨床のコツ・33
転倒予防体操運営のコツ
山田 拓実
1
Takumi Yamada
1
1首都大学東京人間健康科学研究科
pp.1018-1020
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551102630
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はじめに
日本での高齢者の転倒率は,前期高齢者で年間約10%,後期高齢者では年間約20~30%と報告されている.転倒・骨折は介護が必要となる原因の11.8%を占め,脳卒中,衰弱に続く第3位で,その比率は年齢が高くなるにつれ増加していく.
高齢者の転倒予防の取り組みは国内外で積極的に実施されており,筋力やバランストレーニングを含む複合的運動が最も有効とされている.運営の一番目のコツは,参加者が体操の効果を実感でき,かつやっていて楽しい転倒予防体操を作ることである.そうすれば,体操の参加者は口コミで広がり,運営を担ってくれる高齢者のボランティアも自然に確保することができる.
運営の二番目のコツは,体操会場の確保である.これら二つの条件がうまく整えば,後述のように比較的多人数の転倒予防の取り組みが可能となる.筆者がかかわっている転倒予防体操「荒川ころばん体操」の動画は自治体のホームページで観ることが可能となっている.本稿と合わせて転倒予防体操運営の参考になれば幸甚である.
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