甃のうへ・第63回
「先生は患者さん」
米津 小巻
1
1医療法人互生会筒井病院
pp.946
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201338
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理学療法士となり,四半世紀を迎えた.私を育ててくれたのは,周りのスタッフ,先輩,そして,一番は患者さんだった.理学療法士としては述べる必要もないと思うが,人生の先生としてだ.
2人の子供が保育園の頃,シングルマザーとなった私は,いつになったら一人でご飯が食べられるのだろう,いつになったら一人でお風呂に入るのだろう,まるで,出口の見えない真っ暗なトンネルを進んでいる感覚だった.研修会に行くときは実家に預け,泣きながら後を追いかけてくる息子に申し訳ない思いでいっぱいで,子供を捨てていると自分を責めていた.
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