特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 2
【System 2─理詰めで追い詰める感染症編❺】
「先生! 患者さんの顔がピクピクしています!」
吉田 常恭
1
,
長田 薫
2
1洛和会音羽病院 総合診療科
2武蔵野赤十字病院 総合診療科
キーワード:
セフェピム脳症
,
ミオクローヌス
,
痙攣
,
非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)
,
全般性徐波
,
抗痙攣薬
,
血液透析
Keyword:
セフェピム脳症
,
ミオクローヌス
,
痙攣
,
非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)
,
全般性徐波
,
抗痙攣薬
,
血液透析
pp.949-955
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200366
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Case
急性腎盂腎炎で入院中に意識障害を起こした一例
患者:73歳,女性.
既往歴:糖尿病,慢性腎臓病ステージ3b.
現病歴:急性発症した発熱と尿路感染症状を主訴に,救急外来を受診された.右CVA叩打痛あり,尿グラム染色にて小型のグラム陰性桿菌を認め,「急性腎盂腎炎」と診断され入院となった.直近の入院歴があったため緑膿菌までカバーが必要と判断し,入院時よりセフェピム1g/24時間ごとで治療した.第2病日より解熱し,症状・尿所見の改善を認めた.
ところが,第5病日に担当看護師より顔面のミオクローヌスの報告を受け,訪室すると意識レベルの低下(GCS:E1V3M5)を認めた.身体所見では眼振・痙攣は認めず,頭部CTおよびMRI検査でも,異常所見は認めなかった.腰椎穿刺は困難であった.脳波検査にて全般性徐波と三相波を認め,セフェピム脳症(NCSE)を疑い,抗痙攣薬を使用するも著明な改善なく,血液透析を施行したところ,翌日より速やかに意識レベルが改善した.
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