特集 臨床写真図鑑 レアな疾患編—見逃したくない疾患のコモンな所見
レアな疾患のコモンな所見集
先生! 患者さんがフラフラしています!
松尾 貴公
1
1聖路加病院 感染症科
pp.1351-1352
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429202355
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CASE
患者:39歳、男性。
主訴:歩行困難、ふらつき、言語不明瞭
現病歴:コントロール不良の2型糖尿病で、両下腿慢性骨髄炎および糖尿病性足壊疽に対して、ピペラシリン・タゾバクタム静注による入院加療を行い、浸出液の培養からPseudomonas aeruginosaとBacteroides fragilisが検出されたため、シプロフロキサシン200mg 1日2回およびメトロニダゾール500mg 1日3回内服に切り替え、外来フォローしていた。
抗菌薬開始70日後の受診当日朝から、歩行困難・ふらつきが現れ言語不明瞭となり、心配した家族により救急外来を受診した。呼吸器症状・消化器症状・泌尿器症状などはない。
既往歴:2型糖尿病(直近のHbA1c 13.8%)、慢性腎障害(CKD G3a)。肝疾患の指摘はない。
生活歴:飲酒なし、喫煙なし
身体所見:JCS(Japan Coma Scale)Ⅰ-3、体温36.2℃、血圧128/73mmHg、脈拍数82回/分、SpO2 98%(室内気)。指-鼻-指試験・踵-膝試験・回内-回外試験は、いずれも拙劣。
頭部MRI所見:FLAIR画像で、両側対称性に小脳歯状核に高信号域を認めた(図1)。
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