臨床実習サブノート どうする? 情報収集・評価・プログラム立案—複雑な病態や社会的背景の症例・7
糖尿病を合併した被殻出血慢性期患者
井上 靖悟
1
,
宮本 沙季
1
,
補永 薫
1
Seigo Inoue
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
pp.967-973
発行日 2018年10月15日
Published Date 2018/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201343
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はじめに
脳卒中の原因には,高血圧や糖尿病などさまざまな背景があり生活習慣病と密接な関係があります.したがって,脳卒中患者へ理学療法を提供するうえでは,心身機能やADLなど目の前の症状や現象だけでなく,隠れた背景因子にまで目を向けることが重要です.一方,慢性期(生活期)におけるリハビリテーションは,回復期におけるリハビリテーションとは異なり,かかわる頻度が低く限られた時間で効率的・効果的に情報収集を行い,治療につなげていくことが求められます.
本稿では,生活期における臨床実習を想定した情報収集や評価・治療のポイントについて,発症後経過の長い慢性期被殻出血患者を例にして解説します.なお,生活期リハビリテーションでは患者を利用者と表現することが多いですが,本稿では理解しやすいように患者と言葉を統一します.
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