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編集後記
永冨 史子
pp.786
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201292
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筆者が理学療法士免許を取得して以来,免許は一枚こっきりで変わらないのに,医療から福祉へ理学療法士の活躍の場は広がり,診療報酬の変遷に伴って病院機能が細分化され,新人の頃には出会えていなかった病態や治療法など,環境や働き方の変化を毎年体感しています.本号の特集「ジェネラリストとスペシャリスト」は,学術・技術いずれにもあてはまらない概念的なテーマですが,執筆・発言いただいた内容は,専門職のありようや職場教育の方向性までも考えさせられるものとなりました.
岩田論文では「ジェネラリスト・スペシャリストどちらでもいい」と結論づけつつ「ジェネシャリスト・フィットした存在」の表現で伝えたい本質を示唆いただきました.佐藤論文は本邦の理学療法の歴史を概観しつつ,理学療法士同士の協業の重要性や教育のもつ課題をご指摘いただきました.鶴見論文は理学療法士マインドと自身の現場を大切にすることで理学療法士はジェネラリスト・スペシャリストいずれの面ももつ,とご自身の経験からメッセージをいただきました.さらに,理学療法の専門分野ごとに4名の方々に執筆いただきましたが,理学療法士の守備範囲の広さや取り組んでいる分野への想いの深さをあらためて再確認できる内容です.座談会は,文章とはまた違う生き生きとした意見をいただくことができました.
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