とびら
ICFを武器に
村上 忠洋
1
1中部リハビリテーション専門学校
pp.693
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201266
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地下鉄の改札を抜け,しばらくうす暗い地下道を進んだところにその店はあります.店の扉を開けると,温かく穏やかな笑顔と優しいコーヒーの香りが,出迎えてくれました.
この店の店員さんたちは,片手でコーヒー豆を挽き慎重にコーヒーを淹れている方や,片隅のパソコンで指一本とマウスを使って新しいメニューを作っている方など,いずれも片麻痺の障害をおもちでした.また,部屋の奥からは,女性のにぎやかなしゃべり声が聞こえ,そこでは小さなビーズに糸を通して,きれいなアクセサリーを作る教室も開かれていました.その教室の講師や参加者にも,片麻痺や言語障害をもった方がいらっしゃいます.そうです,この店では脳卒中による後遺症を抱えた方々が,それぞれの役割をもって,生き生きと働いておられます.
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