特集 理学療法における動作のアセスメント
高齢者の動作アセスメント
金子 純一朗
1
Junichiro Kaneko
1
1国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科
キーワード:
高齢者
,
姿勢
,
動作アセスメント
Keyword:
高齢者
,
姿勢
,
動作アセスメント
pp.199-205
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201137
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はじめに
現在,高齢者に対するリハビリテーションは整形外科疾患をはじめ,さまざまな病態を対象としている.特筆すべきは,いずれの疾患に罹患した場合も在宅復帰率が改善され,最大80%以上まで復帰する医療施設もある.また,既往歴に着目すると,大腿骨頸部骨折と脳梗塞を異なる時期に罹患するなど,病態の異なる疾患を重複しながら日常生活を獲得している場合もあり,動作特性を分析するうえで動作分析やアセスメントとして判断することがさらに重要となっており,本稿では高齢者であるがゆえの動作特性をテーマに解説する.
立位保持時間を例にすると,ロンベルグ試験の条件では若年者との違いは生じないものの,床面の形状がフォーム状で実施した場合,若年者よりも最大30%程度立位保持時間が減少してしまうことが報告されており1),動作環境の適応においても考慮する必要がある(図1).そこで本稿では,高齢者特有の動作特性や姿勢制御に関する特徴をいくつか整理し,対象者の個体差を精査するのに必要なポイントや環境設定での配慮について,実例を踏まえて解説する.
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