Japanese
English
症例報告
低酸素脳症により発作性ミオクローヌスを呈したLance-Adams syndrome例の理学療法経験
The physical therapy experience of the Lance-Adams syndrome case which showed paroxysmal myoclonus by hypoxic encephalopathy
上野 奨太
1
,
吉尾 雅春
1
,
尾立 朋子
1
Shota Ueno
1
1千里リハビリテーション病院
キーワード:
Lance-Adams syndrome
,
LAS
,
ミオクローヌス
,
運動失調
Keyword:
Lance-Adams syndrome
,
LAS
,
ミオクローヌス
,
運動失調
pp.171-176
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201123
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要旨 心肺停止後の低酸素脳症により,動作時に全身に不随意運動が出現する発作性ミオクローヌスを呈したLance-Adams syndrome(LAS)例を経験した.入院当初は動作時に全身にミオクローヌスを認め,立位保持や歩行が困難な状態であった.ミオクローヌスの改善には,服薬調整と運動失調の改善が有効であると考え,医師との服薬内容の連携や立位,歩行練習を中心とした運動療法を実施した.9週目には杖なし歩行で屋外300m近位見守りまでに改善した.しかし,10週目に居室内で転倒し,左大腿骨頸部骨折の受傷による転院期間があり,運動機能低下を認めた.再入院後も継続した運動療法により運動失調の改善とミオクローヌスの抑制につながり,杖なし歩行近位見守りで可能なレベルまで回復した.しかし,姿勢不安定性が増強する場面においてミオクローヌスは残存した.初回入院から23週目に転倒リスクも考慮して歩行器歩行による自宅退院となった.LASは稀な症例であるが,適切な薬物療法下でのリハビリテーションが効果的であることを経験した.
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