1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
ADL維持向上等体制加算
平野 明日香
1
1藤田保健衛生大学病院リハビリテーション部
pp.525
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200897
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●はじめに
2014年度の診療報酬改定において平均在院日数の短縮,入院早期からのリハビリテーションの推進等が高度急性期・一般急性期の基本的な考え方として挙げられ,理学療法士を病棟に配置することで,入院期間が短くなる,ADLが向上するといった効果が注目された.
そこで,一般病棟入院基本料,特定機能病院入院基本料(一般病棟)または専門病院入院基本料の7対1病棟,10対1病棟について,専従のリハビリテーション専門職等を配置した場合の評価として「ADL維持向上等体制加算」が新設された1).この加算は患者1人につき25点が入院した日から起算して14日間算定でき,2016年度の診療報酬改定では80点へ増点された.
この加算を算定するには,退院または転棟時のADL(Barthel Indexにて評価)が入院時と比較して低下した患者の割合が3%未満であること,院内で発生した褥瘡(DESIGN-R分類d2以上)を保有している入院患者の割合が1.5%未満であるというアウトカム評価を満たす必要がある.また,算定条件1)のなかには専従のリハビリテーション専門職が提供できる疾患別リハビリテーション料は1日6単位まで2)とあり,理学療法士をはじめとするリハビリテーション専門職には,疾患別リハビリテーションにとらわれない新たな働き方が求められている3).
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