レポート
診療録管理体制加算の取り組みと診療情報管理士
福田 行弘
1
1湘南鎌倉総合病院
pp.407-410
発行日 2002年5月1日
Published Date 2002/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903535
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診療情報の全面開示に向けて
2000年4月に診療録管理体制加算が制定された.この内容は国際的な流れに沿う診療情報全面開示に向けてのインフラ整備やDRG/PPSの対応の一環であり,また今年の診療報酬改定の急性期加算に関連する重要なキーポイントとなっている.2001年4月から始まった中央省庁の情報公開制度(請求手数料では1件300円,コピー代は1枚20円,総務庁)に代表されるように,ここ数年で「個人情報アクセス権」が確立されることから,診療情報の開示は法によって義務づけられる様相である.またDRG/PPS導入に関してはICD-10(国際疾病分類),ICD−9CM (手術および処置の分類)によるコード化(コーディング)をすることが最低限必要であることから,これらの環境を診療報酬上で点数化することにより診療情報管理を整備していくことを診療録管理体制加算は目的としている.
しかしながらこの診療録管理体制加算に関する施設基準では,早急に望まれる診療情報の全面提供や診療情報の保守管理体制,DRG/PPS導入の環境整備に取り組む進捗のスピードが速まるとは言い難い.国の政策透導はひっ迫した財政で新たな点数の付加は不可能である.こういう状況では環境整備を担う部署の専門家である診療情報管理士の奮起を促さなければならないだろう.
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