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書評 —山﨑明夫(著)—「にほんごがこんなふうにみえたのよ!—39歳で脳出血! オレの片マヒ&失語な日常」
半田 一登
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1(公社)日本理学療法士協会
pp.1119
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200737
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今から1か月ほど前,書評を書いてほしいとの要請を受けました.当時は非常に多忙な日程となっていたために,いわばしぶしぶ承諾することにしました.それも障がいをお持ちの方が努力して書いたものであろうからというものでした.
ようやく時間が取れて,読み始めた途端に私の理学療法士としての嗅覚が目を覚まし,一気に読み終えることになったのです.一般的に言う「おもしろい」というよりも,理学療法士生活38年の経験を振り返り,反省したり,同意したり,笑ったり,目に涙を浮かべたりしてしまいました.私たち専門職は疾病による症状は十分に理解しているつもりですが,その症状に対する患者さん本人の感覚や感じ方は理解不能な領域です.医療とは科学を下地としながら,患者個々に応じた治療なのです.本書では,ひとつひとつの症状に対して,端的に感じたことや思ったことを見事に表現しています.そのなかで,私が「エッ」と思った点をいくつかを原文のまま紹介します.
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