特集 生活支援につなぐ小児理学療法
常時医療ケアを必要とする子どもたちと家族への外出支援
神田 雄生
1
Yuuki Kanda
1
1柊訪問看護ステーション
キーワード:
外出支援
,
他職種間連携
,
小児在宅医療
,
Costello症候群
Keyword:
外出支援
,
他職種間連携
,
小児在宅医療
,
Costello症候群
pp.945-950
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200686
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,小児科医療は著しい進歩を遂げ,超早産児や染色体異常などの致命率は顕著に向上している.その結果,経管栄養や酸素療法,人工呼吸器などの高度な医療ケアを日常的に必要とする重症児が退院し在宅生活を送ることが増えている.2013年度の厚生労働省科学研究による全国調査1)でも人工呼吸器を装着したまま新生児集中治療室(neonatal intensive care unit:NICU)から1年以内に退院する児が顕著な増加傾向を示していた.
1994年の健康保険法改正により訪問看護ステーションにおいて,医療保険制度による小児の訪問看護・訪問リハビリテーションが算定・実施できるようになった.樫本ら2)は,「療養児も子どものQOLや成長発達からみると,可能な限り家族のなかで生活することが望まれる」と述べており,今後も訪問リハビリテーションの需要は増加していくと考えられる.
在宅で日常的に医療ケアを必要とする児は,その家族やきょうだいとともに外出の制限を受けることが多い.今回柊訪問看護ステーション(以下,当ステーション)が中心となり,近隣地域の医師・看護師などの多職種と連携して,医療ケアが必要な子どもと家族が安心して外出できるイベントを企画・実行した.それと同時にボランティアや医療従事者への在宅小児医療の研修会も開催したので報告する.なお,参加者や症例紹介の家族には倫理的配慮をし,同意を得ている.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.