Japanese
English
報告
中大脳動脈領域脳梗塞患者における梗塞域の拡がりと下肢運動機能・歩行能力の関係
The relationship between extent of infarct-zone and lower limbs function, walk ability in the patient with cerebral infarct of middle cerebral artery region
澤島 佑規
1
,
足立 浩孝
1
,
平井 達也
2
Yuki Sawajima
1
1医療法人偕行会偕行会リハビリテーション病院リハビリテーション部
2いしい外科三好クリニックリハビリテーション部
キーワード:
梗塞域
,
下肢運動機能
,
歩行能力
Keyword:
梗塞域
,
下肢運動機能
,
歩行能力
pp.321-326
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200514
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨 [目的]本研究の目的は,中大脳動脈領域の脳梗塞患者における急性期の磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)を用いて測定した梗塞域の拡がりと回復期リハビリテーション病棟退院時の下肢運動機能および歩行能力の関係を明らかにすることである.[対象]側脳室体部レベルと基底核レベルに梗塞域を認めた中大脳動脈領域の脳梗塞患者86名(平均年齢73.9±10.4歳)であった.[方法]梗塞域の定量的評価として両スライスにおける梗塞域の内側への拡がり(以下,内側比)と横幅の大きさ(以下,横径比)および梗塞域の容積を測定し,Stroke Impairment Assessment Set(SIAS)の下肢運動合計点数,機能的自立度評価表(Functional Independence Measure:FIM)の歩行点数との関係性を検討した.[結果]SIAS下肢運動合計点数およびFIM歩行点数ともに側脳室体部レベルと基底核レベルの内側比に有意な正の相関を認め,同スライスの横径比と梗塞域の容積に有意な負の相関を認めた.重回帰分析の結果,SIAS下肢運動合計点数およびFIM歩行点数ともに側脳室体部レベルの内側比と横径比の2項目が説明変数として抽出された.[結論]予後予測には側脳室体部レベルにおける傍脳室白質部への梗塞域の拡がりとその横幅を評価することが有用であると示唆された.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.