とびら
今こそ原点に戻って「地域リハビリテーションの課題」を考えよう!
福屋 靖子
1
1法政大学
pp.1
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200426
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本誌は船出してから50年,日本理学療法士協会も50周年を迎え,内外の荒波にもまれながらも10万人近い会員数となり大海原に漕ぎ着くまでになった.理学療法士(以下,PT)は,今こそ協会定款の原点に戻り「国民の健康と福祉の増進並びに障害と疾病の予防に資する事業」を実践し協会の責務を果たす好機といえよう.
施設中心から地域リハビリテーション(以下,リハ)への転換が叫ばれて久しい(世界保健機関,アルマ・アタ宣言,1978).老人保健法(1983)における機能訓練事業,訪問指導事業によりPTは地域での活躍の場が拡大され,国策としてもPT養成数の増員対策が図られ,かつ,地域での介護予防事業等でのPTの名称使用が可能となった(2013).しかしながら,介護保険制度発足(2000)によりPTの地域活動の場は消失した,と言っても過言ではない.ちなみにPTの行政関連施設への就業比率で地域活動を推測すると,常勤・非常勤合わせて1995年は21.4%だったのが,介護保険により半減し,2008年には4.1%に減少している.
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