私の病棟日誌・10
初心に戻って
日下 隼人
1
1武蔵野赤十字病院小児科
pp.178-181
発行日 1978年3月25日
Published Date 1978/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907196
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子供にかかわりたいという気持ち
‘みんなのうた’という子供番組があって,それはもう10年以上続いている.その中でヒットした(というような言い方があてはまるものなのかどうかとも思うが)曲がメドレーで流れてきたとき(メロディーだけで歌はなかったけれど),私は驚いた.なにしろその時私はパチンコ屋にいたし,そういう所ではいつも流行歌や軍歌ばかりが流れていたのだから(私はよくパチンコをやりに行く.とりわけ原稿を書いている時には多くなる).
もっとも‘みんなのうた’のメロディーが流れてきたことに驚いたというのではなくて,そのメロディーを聞いていて自分の高校生のころのことを思い出したことに,私は驚いていたのだ.私は中学生・高校生のころ,こういう子供の歌がとても好きで(それは今でも変わっていなくて,そしてこの好きだというのは,対峙するというよりも文字どおり好きなのだが)よく聞いていて,ということは,結局そういう歌を歌う子供たちが好き(これも対峙しているわけではなく)だった.
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