書評
―網本 和・長澤 弘(編集)―「理学療法チェックリスト(第2版)」
対馬 栄輝
1,2
1弘前大学大学院保健学研究科健康支援科学領域老年保健学分野
2弘前大学医学部保健学科理学療法学専攻
pp.779
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106736
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近年の理学療法で扱う疾患は多様化し,また情報量も多くなり,私も臨床では戸惑うことがある.実習生となると,なおさらであろう.疾患名が何となく思い出せるものの明確には浮かんでこなかったり,何を評価したらよいかと迷ったり,大変なことは多いはずである.
本書は,そのようなときの助けとなる.疾患の簡単な解説,情報収集,評価,理学療法プログラムなどの項目が箇条書きで述べられている.もちろん多くの書籍のように,必ずしも一つひとつの項目が詳細に解説されているわけではない.いわゆる教科書のようなものとは異なる構成であり,何を評価すべきかのチェックリスト形式である.臨床で扱う主要な疾患はもちろん,疼痛,運動失調,姿勢障害などの障害別にも解説されている.第3章の「シーン別」のところでは,私もうっかり忘れてしまいそうなポイントが述べられてある.確かに詳細に述べられているわけではないが,どういった情報を得るべきかの要点は押さえられている.用語は豊富に掲載されているので,後でさらに詳細な文献を読むなどのキーワード集としても活用できる.日々の臨床で何度も読み返して練習すれば,体系立った知識が自然に身に付くはずである.
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