追悼
伊藤 弘 名誉教授
山室 隆夫
1
1京都大学医学部
pp.208-209
発行日 1985年2月25日
Published Date 1985/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907132
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弔辞(告別式にて)
京の街並に落葉が舞い,深み行く秋のあわれをしみじみと感じさせるこの日,京都大学名誉教授伊藤弘先生の告別式を執り行うに当り,私共一同,謹んで先生の御霊前にお別れの言葉を捧げます.
昨年は先生が白寿を迎えられたのを機に同門の者が一堂に会してお祝をし,また,今年は先生の御誕生日の七月に百歳のお祝いを申し上げたばかりであります.先生は卒寿を過ぎられてから,二度にわたる大病を見事に克服され,百二十歳迄は生きると言っておられました.私共も先生を不死鳥の様に信じ,誇りにしておりましたのに,去る十一月十四日の朝,先生は忽然として永遠の眠りにつかれました.将に一世紀にわたる御寿命を悔いなく生きられた超人でありましただけに,先生を失った空白は形容のできない程に大きく感じられます.
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