連載 アーキテクチャー×マネジメント・27
医療法人 弘仁会 板倉病院
中山 茂樹
1
1千葉大学大学院工学研究科
pp.178-183
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210433
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■地域のこと
千葉県船橋市は東京駅から電車で25分,人口63万人の大都市であり中核市の指定を受けている注1).もともとは東京湾の漁業や海老川河口の港として栄え,戦後は,駅北側は住宅地開発,駅南の海側は大規模な埋め立てによる住宅地および工場を誘致し,現在も人口流入を見る地域である.
市が属する東葛南部保健医療圏は,船橋市・市川市・習志野市・八千代市・鎌ヶ谷市・浦安市の6市で構成され,面積は254km2,人口は170万人(高齢化率19.0%)を超える.隣接の市川市は古くからのベッドタウンであり,高度経済成長時代に住宅地を供給してきた習志野市・八千代市・鎌ヶ谷市・浦安市などに囲まれた現在も成長している地域である.当該医療圏内には65の病院があり(3.8病院/人口10万人),8,233の一般病床がある(480.6床/人口10万人).一方,船橋市には3.5病院/人口10万人,422.7床/人口10万人という状況であり,全国的にはもちろん,千葉県あるいは当医療圏内で見ても医療資源密度の低い地域である.一方,冒頭に述べたように東京への距離は近く,多くの住民が東京へ職場や学校を求めている注2)ので,医療についても市外へ流出する患者数は多い注3).
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