書評
―石川 朗,内山 靖,新田 收(編集)―「臨床実習フィールドガイド(改訂第2版)」
奈良 勲
1
1金城大学医療健康学部
pp.763
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106732
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このたび,『臨床実習フィールドガイド』が第2版として改訂された.初版の刊行は2004年だが,学生が本書を臨床実習の遂行に際して座右の書として活用し続けてきたことを示唆している.これまでも,臨床実習に関する書籍は多く世に出ているが,本書の特色は,実習生に期待される「臨床思考過程」の体得・習得を重点的に基軸にした先駆的な企画内容と編集方針である.本書は,臨床実習施設で不安を抱きながら実習に取り組む学生を丁寧,かつ具体的にガイドする役割を果たしてきたものと思われる.
昨今の医学的リハビリテーション領域の進歩,また職域の拡大に伴い,理学療法学・作業療法学教育においては,学生が学ぶべき情報量が増加することはあっても,減少することはない.限られた時間内で自らの知識と技術との理解度を深め,また臨床実習の準備を行う負担は大きい.そのため,学生の立場からすれば,具体的・実践的で即効性のある知識と技術とをわかりやすくまとめた書籍(いわゆる虎の巻)を求める傾向があるようだ.
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