連載 Case Study 診断に至る過程・3
理論的アプローチ
松村 正巳
1
1金沢大学医学部附属病院リウマチ・膠原病内科
pp.1948-1955
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101419
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本シリーズではCase Studyを通じて鑑別診断を挙げ,診断に至る過程を解説してみたいと思います.どこに着目して鑑別診断を挙げるか,次に必要な情報は何か,一緒に考えてみませんか.
さて,今回の患者さんです.
病歴&身体所見
65歳,男性
主訴:手足に力が入らない
現病歴:生来健康であった.1カ月前に右足の脱力を感じたことがあったが,1日で回復した.2日前の午後から,足がもたつく感じが出現した.1日前には足がもたつきながらも,朝から農作業を行った.午後になると手にも脱力感があり,過労と思い,近医で点滴を受けた.しかし,食欲はなく,夕食はほとんど食べられなかった.翌日は朝から立てなくなり受診となった.この1カ月間に感冒様症状,消化器症状はなく,排尿,排便にも問題はない.この3カ月はとても多忙で,食欲もなく,体重が10kg減ったという.
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