特集 神経筋疾患の治療と理学療法
パーキンソン病に対する深部脳刺激術と理学療法
堀場 充哉
1
,
岡 雄一
2
,
山下 豊
1
,
佐橋 健斗
1
,
田中 照洋
1
,
坪井 理佳
1
,
藤井 園子
1
,
清水 陽子
1
,
梅村 淳
3
,
和田 郁雄
1
Mitsuya Horiba
1
1名古屋市立大学病院リハビリテーション部
2名古屋市立大学医学研究科脳神経外科学
3順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経外科運動障害疾患病態研究・治療講座
pp.1069-1077
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106491
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パーキンソン病の概念
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は,振戦,固縮,無動,姿勢反射障害を4徴候とする進行性の錐体外路系疾患である.黒質ドパミンニューロンの変性脱落は,運動症状発現の5~7年前から始まり,神経細胞数が40~60%まで減少すると運動症状が発現する1,2).
近年,Braak仮説3)が提唱され,PDの病理変化は嗅球から始まり,その進行は脳幹や延髄へ上行し,中脳黒質や視床下部,前脳へと広がり,新皮質に至るとされている.このように,迷走神経背側核,嗅球,縫線核や青斑核などの障害は黒質のドパミンニューロンの障害以前に出現することから,運動症状の出現以前に,慢性便秘,rapid eye movement(REM)睡眠行動異常,嗅覚障害,抑うつといった前駆症状,記憶,認知機能障害,情動障害,自律神経障害など多くの非運動症状も注目されている.
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