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連載 定位脳手術入門(8)
パーキンソン病に対する淡蒼球刺激術
Chronic Electrical Stimulation of the Globus Pallidus for Treatment of Parkinson's Disease
小倉 光博
1
,
田中 賢
1
,
西林 宏起
1
,
板倉 徹
1
Mitsuhiro OGURA
1
,
Satoshi TANAKA
1
,
Hiroki NISHIBAYASHI
1
,
Toru ITAKURA
1
1和歌山県立医科大学脳神経外科
1Department of Neurological Surgery,Wakayama Medical University
キーワード:
Parkinson's disease
,
globus pallidus
,
deep brain stimulation
,
GABA
Keyword:
Parkinson's disease
,
globus pallidus
,
deep brain stimulation
,
GABA
pp.763-772
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100463
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Ⅰ.はじめに
神経疾患によって引き起こされた機能障害を,外科的に改善せしめるのが機能的脳神経外科である.パーキンソン病に対する定位脳手術は機能的脳神経外科手術の代表的なものであり,古くより多くの先人達によって改良が重ねられ進歩してきた.手術部位では視床,淡蒼球内節に視床下核が加わり,それぞれの症状に応じて適切な手術部位が選択できるようになった.また,手術方法では脳深部刺激術の開発により可逆性と調節性を得て,さらに安全性が増した.画像処理技術の進歩によりMRIガイド下でターゲット設定が可能となり,多くの施設では脳室造影を行う必要がなくなった.将来的にはナビゲーションシステムなどを用いたフレームレス手術が主流になっていくであろう.
淡蒼球内節は大脳基底核の出力核のひとつであり,大脳基底核内で統合処理された運動情報を視床に伝達する重要な部位である.淡蒼球内節の手術は古くから行われており,破壊術から刺激術に移行し,なおその有効性は認められている.本論文では淡蒼球刺激術について,その理論的背景から手技,手術の実際,効果,作用機序などについて解説していきたい.
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