入門講座 食する・2
「食する」と高齢者の口腔ケア―摂食・嚥下リハビリテーションにおける理学療法士のアプローチ
植田 耕一郎
1
Kouichirou Ueda
1
1日本大学歯学部摂食機能療法学講座
pp.921-927
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106449
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食するための機能について―摂食・嚥下機能の理学療法的着眼点
「食べる」という日常当たり前な所作を,5つの時期に分けて観察します.すなわち,先行期(認知期),準備期(咀嚼期),口腔期(嚥下第1期),咽頭期(嚥下第2期),食道期(嚥下第3期)です(表1)1).先行期と準備期を「摂食」,口腔期,咽頭期,食道期を「嚥下」と呼び,「摂食・嚥下」と定義されます.摂食機能と言った場合の「摂食」はこれら5つの時期すべてを指し,広義の「摂食」と解釈されます.
理学療法士は,摂食・嚥下のどの時期に障害があるかの観察眼をもつことで,その時期に応じた「摂食・嚥下リハビリテーション」としての手技を展開することになります.摂食・嚥下リハビリテーションは医療職,介護職,あるいは介護者・家族がそれぞれの立場,得意性を生かして施されるものです.まずは「摂食・嚥下機能(摂食機能)」としての理学療法的着眼点を紹介します.
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