入門講座 歩行のバイオメカニクス・4
義足歩行のバイオメカニクス
長倉 裕二
1
Yuji Nagakura
1
1熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
pp.727-733
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106383
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健常者の歩行と義足歩行の違い
健常者の歩行は各関節の動きと筋や靱帯などの軟部組織の粘弾性や筋力によって変化するが,義足歩行は義足部品で機械的な動きを再現し,人体に取り付けたソケットの形状やそのフィッティングによって義足のコントロールが大きく左右される.例えば,従来多く使用されていた肩吊り型差し込み式大腿ソケットと固定膝継手,SACH(solid ankle cushion heel)足部での義足歩行とライナー式IRC(ischial ramal containment)ソケットとマイコン制御式膝継手,エネルギー蓄積型足部を使用した義足歩行では到達できる歩行形態が大きく異なる.ここでは義足歩行における正常歩行とはどのようなものか,正常歩行は可能なのか,義足で生活するために必要な義足操作方法はどのようなものなのかについて,義足歩行の原理と義足部品に合わせた歩行について解説する.
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