特集 運動障害がある場合の内部障害への対応
運動障害を有する患者の腎機能障害に対する理学療法
重田 暁
1
,
村木 孝行
1
,
日原 信彦
2
,
石田 暉
2
Shigeta Kyo
1
1東海大学医学部付属病院リハビリテーション科
2東海大学医学部付属病院リハビリテーション医学教室
pp.939-945
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106175
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はじめに
腎臓病については,これまで運動負荷が与える腎機能への悪影響を懸念して必要以上に身体活動を制限する指導がなされることが多かった,しかし,1997年に日本腎臓病学会から提唱された「腎疾患患者の生活指導・食事療法に関するガイドライン」1)では,生活指導の基本方針の部分において腎臓病に対する長期間の運動負荷の影響は明確にされていないとしながらも,より具体的な内容となっている.また各種腎疾患の実際の生活指導では病期,病態を正しく把握し,個々の患者の経過を観察して必要に応じて修正していくことが挙げられている.
そこで本稿では,腎機能障害患者への対応について,筆者らの経験から,腎移植を施行した症例と,透析治療を導入し,かつ脳血管障害を合併した症例を呈示する.さらに,腎機能障害患者の特徴について触れ,特にリスク管理の観点から高齢者および運動障害を有する腎機能障害患者の理学療法について述べる.
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