Japanese
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特集 精神障害と理学療法
精神障害を有する切断者の理学療法
Mental and Psychological Problems in Physical Therapy: Physical Therapy for Amputees with Psycological Disturbance
滝野 勝昭
1
,
長屋 崇
1
,
菊池 詞
1
,
石川 朗
1
,
三上 真弘
1
Katsuaki TAKINO
1
,
Takashi NAGAYA
1
,
Tsuguru KIKUCHI
1
,
Akira ISHIKAWA
1
,
Masahiro MIKAMI
1
1帝京大学医学部附属病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Teikyo University Hospital.
pp.440-444
発行日 1993年7月15日
Published Date 1993/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103779
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1初めに
人が病気や外傷などに遭遇したとき,自らの身体運動機能の制約により行動の狭小化を余儀無くされる.これらと相関して受傷衝撃,現況衝撃,社会的不履行による自責衝撃などによって心理的機能も停滞することは,日ごろ,理学療法を施行していく上で容易に感じとることができる.
切断者は損失した体肢が再生しない事実を既知しているので,いわゆる「障害の受容」から「適応」まで至るには複雑な心の葛藤を経なければならないであろう.ここには当然,切断するに至った原疾患も大きな影響力をもって関与している.その中でも精神障害を伴っている切断者が社会復帰するまでには,他の症例には無い特異性を秘めているのできわめて難渋する症例が多い1).今回,これまでに経験した精神障害を合併した下肢切断例に,理学療法を通して臨床的見地から検討を加えた2,3).
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