今月の主題 高血圧症—今日の治療
合併症を有する高血圧患者の治療
腎機能障害を有する高血圧患者の治療
小野山 薫
1
,
友岡 卓
1
1九州大学医学部・第2内科
pp.1398-1399
発行日 1985年8月10日
Published Date 1985/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219877
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高血圧患者で腎機能障害を伴う症例には,その腎機能障害の原因として,原発性腎疾患とともに種々の続発性腎疾患がある.後者には,本態性高血圧症の臓器病変の1つとして生じる高血圧性腎硬化も含まれる.したがって,観察された時点では腎障害を伴う高血圧であっても,それに至る過程が症例によって異なることを最初に理解しておかねばならない.
腎障害を伴う高血圧では,糸球体腎炎が腎機能障害の原因であることが最も多い.このような症例では,高血圧が腎障害の進展因子として最も重要なものとされるが,同時に腎障害が原因となって高血圧が発症,進展することも明らかで,両者の間には悪循環が形成されている.したがって,腎障害のそれ以上の進展を防止するためには,血圧をコントロールすることが大変重要なこととなる.
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