入門講座 コミュニケーション技術・2
理学療法現場におけるコミュニケーション困難例への対応
武田 秀和
1
Takeda Hidekazu
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
pp.604-608
発行日 2002年8月15日
Published Date 2002/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106099
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はじめに
理学療法において,患者からの情報収集や効果的な治療計画の立案・実施などにコミュニケーションが不可欠であることは周知のとおりである.コミュニケーションは,人と人との間で相互に行われる情報交換であり,ことばによる言語活動が最も効率的である.しかし,実際には顔の表情やジェスチャーなどの非言語的な手段も多く利用し,意思疎通を図りながら情報伝達を行っている.
臨床の現場では,理学療法士と患者,患者をとりまく家族,あるいは患者同士などとの間で様々なコミュニケーションが交わされている.それゆえに,疾病の種類,障害の重症度や理解度,社会・心理的背景などからコミュニケーションが十分取れず,理学療法の遂行に困難をきたす症例に遭遇することも少なくない.
そこで本稿では,理学療法現場におけるコミュニケーション困難例への対応の仕方について,具体例を通し紹介する.なお,症例については,インフォームド・コンセントの配慮を加えておく.
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