書評
―加倉井周一・清水夏繪(編)―神経・筋疾患のマネージメント―難病患者のリハビリテーション
平井 俊策
1
1東京都立神経病院
pp.32
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104989
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現在数多くの疾患が難病の指定を受け,医療費が国庫負担されるとともに,その成因や治療に関する研究も進歩しつつある.しかし,特に神経・筋疾患では,難病でありながら指定されていない疾患も多い.これらの疾患は有効な治療法がないだけに,リハビリテーション,ケアを含むマネージメントの重要性が非常に大きい.従来,このような神経・筋難病のマネージメントに焦点を当てた書物はなく,その出現が望まれていたが,このたび加倉井周一教授(東大リハ科)と清水夏繪教授(帝京大市原病院神経内科)の編集により発刊された「神経・筋疾患のマネージメント―難病患者のリハビリテーション」は,このような要望に応えるものといえよう.
本書は,まず総論でリハビリテーションの立場からみた神経・筋疾患,神経・筋難病に対する厚生省研究班の業績,地域での取り組み,心理面への配慮,支援機器などを解説した後,各論として厚生省指定の難病を含む32の神経・筋疾患について簡潔にそのポイントを述べるとともに,特にマネージメントに重点をおいて記述してある.
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