特集 脳卒中理学療法の効果
脳卒中片麻痺患者に対する電気刺激療法の効果
小池 和幸
1
,
高橋 守正
2
Koike Kazuyuki
1
1小田原市立病院リハビリテーション室
2小田原市立病院リハビリテーション科
pp.266-270
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104756
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1.はじめに
脳卒中片麻痺(以下,片麻痺)患者に対する理学療法は運動療法が中心であるが,電気刺激療法をはじめとする物理療法の併用により,さらに効果的な治療が期待される.片麻痺に対する電気刺激療法は,機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)と治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation:TES)に大別される.
FESは,プログラムされた電気刺激により麻痺筋を収縮させ,障害された把持,起立,歩行などの行動を再構築することを目的としている1).これに対しTESは,筋萎縮の予防改善,筋力増強,痙性の抑制,随意性の向上などを目的に行われる2).本稿では,片麻痺に対する電気刺激療法の効果と今後の課題について,歩行に焦点をあて,自験例を含めて述べることにする.
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