特集 脳卒中理学療法の効果
脳卒中患者に対する装具療法の効果
森 信孝
1
Mori Nobutaka
1
1水俣市立湯之児病院リハビリテーションセンター
pp.259-265
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104755
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
脳卒中患者に対する理学療法の一般的なゴールとして,ADL自立,歩行能力の獲得が挙げられ,QOLの向上も含め,それらの達成のために種々のアプローチが行われている.そのなかでも,装具療法は運動療法とともに有力な治療手段の1つである.従来,装具療法は能力障害(disability)に対する代償的アプローチを主目的として考えられてきた.しかし近年は,早期より適合のよい軽量かつ機能的な装具を用い,適切な体重支持や歩行の矯正を図り,筋力の強化や運動回復に効果を挙げる機能障害(impairment)に対するアプローチの有力な手段であるという認識も得られており,装具療法の果たす役割も多様化している2,4,8,10,33).
本稿では,脳卒中の装具療法についての現状,目的,適応,効果等について下肢装具を中心に述べるとともに,我々の施設で行っている装具療法を紹介しながら,早期装具療法等についても触れることにする.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.