報告
阪神・淡路大震災における高齢者・障害者の避難および避難生活の問題点
瀬藤 乃理子
1
1神戸大学医学部保健学科理学療法学専攻科
pp.799-802
発行日 1995年11月15日
Published Date 1995/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104424
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Ⅰ.はじめに
1995年1月17日に起こった阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)は,淡路島北部を震源として発生したマグニチュード7.2の都市直下型地震であった.気象台観測史上初めての震度7の激震地区は,活断層に沿って,神戸市,芦屋市,西宮市など広域に及び,全・半壊した家屋が16万棟という壊滅的な被害を与えた.電気・ガス・水道などの「ライフライン」は瞬時に寸断され,通信網,交通機関は麻痺状態となった.半年経過した現在でも,多くの被災者が避難生活を余儀なくされている.
今回,筆者自身も神戸市内の激震地区で被災した.地震後,被災地で医療ボランティアとして活動するなかで,被災地の厳しい生活環境下で健康状態の悪化や運動機能の低下をきたしている多くの障害者や高齢者に遭遇した.その経験から,阪神・淡路大震災における高齢者や障害者の避難および避難生活上の問題点を報告し,今後の災害時の理学療法士の援助のあり方について私見を述べる.
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