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入門講座 在宅障害者を支援する社会資源の活用・4
身体障害者に対する住宅改造助成制度の活用―横浜市の住環境整備事業をとおして
Utilization of Social Resources for the Disabled Living at Home. 4: House Remodeling for the Homebound Physically Disabled in Yokohama City
藤井 智
1
,
渡邉 慎一
1
,
松葉 貴司
1
Satoshi FUJII
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Takashi MATSUBA
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター地域サービス室
1Community Service Division, Yokohama Rehabilitation Center
pp.700-707
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104393
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Ⅰ.はじめに
日本家屋は狭いうえに敷居などの段差があり,障害者にとって住みやすい環境とはいいがたい.そのため,在宅生活を行うに当たり,各々の障害に合わせた環境整備が重要である.環境整備は,家具の配置換え程度で済むこともあるが,手すりの設置や段差解消などを行えば,いくらかの出費が伴う.経済的な負担が大きければ,改造計画の変更を余儀なくされる.このため,住環境を適切に整備するには,資金をいかに確保するかが重要な要件であり,各種の融資や助成制度の利用が考えられる.
融資には,全国ほぼ共通する制度として,金融機関のローンなどの民間融資と住宅金融公庫などが行っている公的融資がある(一部に自治体独自の融資もある).一方,助成制度の実施主体は自治体であり,その内容にはかなりの格差がある.表1に関東地方のみであるが,各自治体による住宅改造に対する助成制度の概要を示す.住宅改造資金の獲得においては,返済を義務づけられている融資より,まず費用の一部を補助してくれる助成制度の活用を検討するほうが得策であろう.
横浜市では,障害者・高齢者に対する住宅環境の整備に当たって,福祉事務所と横浜市総合リハビリテーションセンターが一体となり住宅改造の助成制度に取り組んでいる.本稿では,助成制度の利用に当たっての理学療法士や作業療法士の役割や留意点について,筆者らの経験を紹介することにしたい.
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