理学療法草創期の証言
障害者の一般就労への道の険しさ
長能 常利
1
1国立横浜病院機能訓練室
pp.339
発行日 1995年5月15日
Published Date 1995/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104289
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『理学療法ジャーナル』編集室より「理学療法草創期の証言」を書いてほしいとの依頼があった.当時の理学療法をめぐる大きな動きは,これまでにすでにふれられているので,私の「理学療法草創期の証言」としては,一人の障害者の社会復帰するまでを通じてその当時の状況を理解していただこうと思う.
1970年に私が理学療法士として神奈川県立身体障害者更生指導所に勤務した当時は,リハビリテーションという言葉すら,知っている人も少なかった.まして,障害者の一般就労への可能性は最近とは比較にならないほど低い状況の下で,理学療法士として私が担当し,一般就労することができるまでになった両側大腿切断のS氏が,今回の一方の主人公である.S氏退所に至るまでに一人の理学療法士として私が,どのように関わったのかについて述べる.
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