特集 リハビリテーションに必要な産業医学の知識
就労障害者の健康管理
伊藤 英明
1
,
立川 美香
2
,
佐伯 覚
1
Hideaki Ito
1
,
Mika Tachikawa
2
,
Satoru Saeki
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
2ルネサスセミコンダクタマニュファクチュアリング(株)管理統括部人事総務部山口総務課
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
障害者雇用
,
肢体不自由
,
加齢性変化
,
健康管理
,
産業医
Keyword:
障害者雇用
,
肢体不自由
,
加齢性変化
,
健康管理
,
産業医
pp.511-516
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200257
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はじめに
企業にとって障害者雇用は「企業の社会的責任(corporate social responsibility;CSR)」として重要な戦略となっている.その根拠となる「障害者の雇用の促進等に関する法律」では事業主に対して常時雇用する従業員の一定割合以上の障害者を雇うことを義務付けている.障害者雇用率制度で定められている障害者とは身体障害者,知的障害者,精神障害者であり,そのなかでは身体障害者の雇用が最も多い.身体障害には視覚障害,聴覚障害,肢体不自由,内部障害があり,リハビリテーション医療で携わることが多いのは肢体不自由による身体障害者である.リハビリテーション医療では復職事例だけでなく就業中の身体障害者についても関与する場面が多く,企業における障害者雇用の現状を把握しながら診療することは有益なことだと考える.本稿では企業における就業障害者の現状や健康管理の留意点について,産業医としての経験を踏まえ私見を交えながら論じていきたい.
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