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特集 脳卒中片麻痺に対する理学療法;15年の変遷
脳卒中片麻痺の理学療法評価の変遷
Pysical Therapy for Stroke Hemiplegics in Past Fifteen Years: Trend of the Evaluation in Physical Therapy for Stroke Hemiplegics
吉尾 雅春
1
Masaharu YOSHIO
1
1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
1Department of Physical Therapy, School of Health Sciences, Sapporo Medical University.
pp.229-236
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104259
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Ⅰ.初めに
我が国の脳血管障害による片麻痺の理学療法は,1970年代から1980年代半ばにかけてファシリテーションテクニックに染まりきった観があるが,1980年ころから将来の高齢社会に対する認識が高まり,一部で地域リハビリテーションや高齢者の体力などに対し興味が向けられ始めた.また,三好1,2)はHirschbergが1950~1960年代に提唱した健側や体力への,しかも早期のアプローチの重要性を改めて紹介し,ファシリテーションテクニック,とりわけBobathの概念に対して痛烈な批判を行なった.その後,生活を重視した理学療法本来の視点が再確認され,体力や廃用症候群を意識した理学療法が積極的に行なわれるようになった.ICUでの呼吸理学療法をはじめとする早期理学療法の展開もそのような背景に基づいている.また最近では,認知療法や運動学習理論が注目されている.
このように概観した片麻痺への対応は,その評価にどのように反映されてきたのだろうか.本稿では過去約15年間の片麻痺の機能障害および一部能力障害の評価の変遷を振り返り,さらに今後,我が国の理学療法士が何をすべきか検討してみたい.
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