臨床実習サブノート 基本動作の評価からプログラムを立案する・10
呼吸器疾患患者の基本動作の評価からプログラムを立案する
仲井 人士
1
Hitoshi Nakai
1
1奈良県立医科大学附属病院医療技術センターリハビリテーション係
pp.73-77
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551104183
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はじめに
「臨床実習サブノート:基本動作の評価からプログラムを立案する」シリーズも終盤にさしかかるなか,本稿のテーマは本シリーズ唯一の内部障害疾患を対象とした「呼吸器疾患患者の基本動作の評価からのプログラム立案」である.臨床実習中の学生が,スーパーバイザーから「呼吸器疾患の患者さんを担当症例にするよ」と言われたときの心中を察するのは容易である.おそらく学生にとって呼吸器疾患を含む内部障害は『目にみえにくい障害』であり,運動器疾患や脳血管障害と比較してリスク管理が難しく,何を評価・治療していけばよいのかと悩むことであろう.しかしながら,今回中心に述べる慢性閉塞性肺疾患(chronic Obstructive pulmonary disease:COPD)の患者数は530万人以上と推計され1),今後は原疾患としてだけでなく,他疾患の合併症としても対象となる機会の増加が予想される.呼吸器疾患は,理学療法士として避けて通ることのできない疾患となりつつあるのだ.
本稿では,その目にみえにくい障害をいかに可視化し,評価,治療へと結びつけていくかを,基本動作を中心に述べていきたい.
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