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はじめに
われわれは三次元の世界に住んでいる。しかし眼の網膜は二次元の平面である。したがって二次元の網膜像からいかにして三次元の奥行を読み取るかというのが視覚系の最大の課題である。もちろん二次元画像の中にも奥行の手がかりは沢山ある。陰影やテクスチャーの勾配,重なりによる遮蔽や遠近法など伝統的な絵画で使われる技法がそれである。J.J.Gibson9)は「視覚的世界の知覚」の中で,そのような遠近の手がかりを挙げて詳しく論じている。その中にはオプティカルフローや運動バラックスのような動的な手がかりも含まれている。David Marr16)はコンピュータビジョンの立場から“shape from shading”(陰影から形)や“shape from movement”(動きから形)などいくつかの手がかりから三次元の形を計算できることを示している。しかし本当に正確な「奥行」を読み取るには両眼視が不可欠である。
獲物を捕える肉食類や猛禽類は両眼立体視を備えている。そして霊長類の二大特徴の一つも両眼立体視で,霊長類はそれをもう一つの特徴である把握する手と組合せて,器用に物を操作する機能を獲得した18)。人間の特徴である道具を使って物を作る能力も両眼立体視に依存している。頭頂葉は視覚による手の操作運動に重要な役割を果たしている領域なので立体視にも関係している可能性が高い。
In this article we reviewed recent neurophysiological studies of the posterior parietal association cortex in alert behaving monkeys related to the neural coding of space vision. It has become clear that the parietal cortex is subdivided into different functional regions covering different aspects of space vision.
1) Motion vision system has been studied is most detail.
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